難治性疾患
難治性疾患への取り組み
口腔は、食べ物、空気の出入り口です。いつも、細菌やウィルスにさらされ易い環境にあります。それ
故特殊な病気にかかったり、粘膜という皮膚よりも弱い組織に覆われています。また全身状態を把
握できる器官として、内科でも舌や唇を診て診察を行うことは一般的です。
あいざわ歯科クリニックでは出来る限り最新の治療方針を踏まえつつ、精神的なアプローチも用い
ながら口腔外科をはじめとして、口腔領域全般の治療を行っています。
口腔内にみられる難治性疾患の例
- 口腔乾燥症
- 舌痛症
口腔乾燥症
口腔乾燥症は、現代病の一つで、推定100万人程の患者が潜在すると言われています。ドライマウス
などと呼ばれ、原因は、膠原病の一つのシェーグレン症候群の事も多いのですが、エアコン等の環
境変化も関与すると言われています。現時点では、治療法は未だに確立されていません。
当院では、バイオティーン オーラルバランスを用いております。以前は、スプレータイプのサリベ
ートを用いていましたが、口の中は常に濡れているので短時間で流れてしまうのが欠点でした。オ
ーラルバランスは、ジェル状ですので、5時間ほど持続すると言われています。
当院には、数多くの口腔内乾燥を訴えて来院されますが、この薬が今年発売され、使用するようにな
り、ほとんどの方が、笑顔を取り戻されています。実際の使用で、45症例全てにおいて6時間程度の
湿潤が得られています。
更に、マウスウォッシュもとり入れました。アルコールフリーで、刺激性がなく、保湿成分もあります。
単独で、用いたり、オーラルバランスとの併用も行なっています。
私は、オーラルバランス使っています
( ある患者さんからの手紙から)
私は口の中が渇き、唇の内側が、ドロドロに爛れて困っていました。先生のお計らいで、オーラルバランスを歯茎に塗る様に指導して下さいました。そして私は、オーラルバランスを1日に何回となく、口の中をキレイにして、歯茎に塗っていました。
最初は唇にピリッとした感じがありました。その後、じんわりと甘味としっとり感がありました。
口の中に潤いがあり、唇の爛れも、数日して綺麗になりました。
私は、2002年5月9日から、オーラルバランスを使用し始めましたが、これからもずっと愛用して行きたいと思います。
成分 | 種類 | 目的 |
---|---|---|
ポリグリセリルメタクリレート | 保湿材 | 保湿、湿潤 |
キシリトール | 天然甘味料 | 虫歯予防 |
ラクトパーオキシターゼ | 酵素 | 抗菌 |
ラクトフェリン | 酵素 | 抗菌 |
リゾチーム | 酵素 | 抗菌 |
相互作用:口腔内にヨードイオンが存在すると、成分中のラクトパーオキシターゼ酵素の活性が活
発になります。アメリカの論文によると、この作用によって、ヨードと併用する事で、非常に高い抗菌
作用が得られます。逆に、アルコールでは抗菌作用が失われてしまいます。
この患者さんは、常にのどが渇くと訴えます。しかし、内蔵の病気や免疫の病気の診断はされていません。舌はひび割れ、カビの一種であるカンジダがみられます。
口腔乾燥を起しやすいといわれる薬剤
抗不安薬 | 抗コリン薬 | 気管支喘息治療薬 |
抗けいれん剤 | 止瀉薬 | 鎮痙薬 |
制嘔吐剤 | 抗パーキンソン病薬 | 鎮咳去痰薬 |
鎮痛薬 | 抗ヒスタミン剤 | 抗炎症剤 |
抗圧剤 | 鎮痛鎮静薬 | 消化性潰瘍治療薬 |
抗精神病薬 | 気管支拡張薬 | 抗悪性腫瘍薬 |
利尿薬 | 抗うつ剤 | 血管拡張薬 |
抗アレルギー剤 | 不整脈治療薬 | X 線造影剤 |
局所麻酔アレルギー
局所麻酔とは、歯科では「麻酔します」と頻繁に行なわれる医療行為です。近年、件数は技術的改
良により減りましたが、一度起こると、重篤になってしまう事があります。
近年、局所麻酔の液の中に含まれる防腐剤のメチルパラベンが、アレルギーの原因では?といわれ
ています。このため、当院では防腐剤無添加の昭和薬品化工 オーラを局所麻酔剤として用いてい
ます。
必要な効果が同じであれば、添加剤などは必要ありませんし、技術革新によって防腐剤なしでも使
用期限が、今まで以上に長くなり、非常に安全性が高まりました。
また当院では、歯科麻酔学会認定医が常勤しており、アレルギーの方でも、状態に合わせた対策によ
り安心して治療を行なうことが可能です。
歯科恐怖症・知的障害者を中心とした集中歯科治療
知的障害者の方は、一般の方でも大変な歯科治療は非常に困難なものとなる事が多く、専門的な
技術を機材が必要となります。当院での実績は、20年以上障害者に対する歯科治療に取り組んで
きました。
知的障害者の方は、精神発達地帯・自閉症・脳性麻痺・ダウン症・てんかん・様々な特殊症候群の
方々がいらっしゃいます。
コミュニケーションが不可能であったり、体の動きが自分の意思どおりに動けない方に置いては、笑気ガスや静脈内鎮静法を用いた精神鎮静法、及び全身麻酔による治療を行なっています。
このような方法と特殊な技術・機材により安全に治療を行なうことが可能です。
口腔粘膜の様々な疾患の治療
皮膚病と同じように、口の中の粘膜にも病気が出る事が多くあります。金属アレルギーや帯状疱疹また、その他の特殊な粘膜疾患などは、早期に口の中から病変が出現します。一般の歯科や
皮膚科で原因不明といわれていたものが多く存在します。血液検査や病理検査の後に、適切な薬や外科手術を行ないます。また、病気によっては、内科や皮膚科と連携した治療を行なっています。
単純性ヘルペス(矢印)
ウィルス感染によるものです。難治性の場
合、抗ウィルス剤が必要になります。
粘液嚢胞
唾液腺がつまってできる病気です。放置す
るとどんどん大きくなります。