MTA系バイオセラミックスによるパーフォレーションリペア
2019/08/18
歯の根の治療は形態が複雑で、本当に難しく、時間もかかり、患者さまも長時間口を開けたままにしなければなりません。
通常の治療では、保存が難しい状態になってしまった場合に、現在ではMTAという比較的新しい素材を用いて修復する事が世界的に標準な治療になっています。具体的には主に穿孔部の封鎖ならびに逆根管充填に用います。
MTA系バイオセラミックスである、エンドシークエンス(ブラッセラー社、USA)はケイ酸カルシウムの他に水酸化カルシウム、X線造影剤として酸化ジルコニウムを含む1ペースト製材で、通常のMTAとは異なり、
シリンジに入っているため、練和することがなく、操作性がひじょうに高く、スピーディーな治療が可能です。通常のMTAと同様出血には注意が必要です。
山梨 医療法人再生会 あいざわ歯科クリニック
こちらが、パテタイプで、紙粘土のような硬さでとても詰めやすいです。
こちらは、フローが良くなったシーラータイプで、パテでは不十分な隙間を埋めていきます。
近心部に、メタルコアのパーショレーション、アンダー根充が認められ、根尖部に大きな病巣があり、歯槽骨が溶けていました。
エンドシークエンスのパテと根尖部病巣ありの病巣部にはシーラーと通常のガッタパーチャーを用いて根充を行いました。
一見アンダー根充に見えますが、実際には根尖部が破壊されており、根管治療を開始しました。
1年程度経過した状態です。ほとんど病気が認められなくなりました。