リーマー破折片が、玉入れ状態に
2019/03/21
リーマー破折片の除去は大変難しいものです。
特にその先に病変がなく、症状がない場合には、無理して除去する必要はないのですが、歯質を弱めることなくある程度除去の努力は必要だと思います。
このケースでは、症状があり病変が大きく、確実にリーマーを除去する必要がありました。
器具を使用しながら、どうやったら除去するのか探っていきます。超音波スケーラーを拡大視野下で振動を与えながらやっていくのですが、黒色に変色していることから、ニッケルチタンファイルと考えられ、かなり根管に食い込んでいます。除去には困難を極めました。
そろそろ、浮いてきたので、除去の準備にかかりました。
そして、取れた~!っとアシスタント2名と喜びもつかの間、反対側(遠心側)の根管に飛び込んでしまいましたとさ・・・。
しかし、貼薬といって、薬が入っていたために、簡単に除去する事が出来ました。
後は、根の中の病気を排除すれば、治癒がみえて来ると思います。
除去だけで、4度の通院を必要とし、毎回40~50分ずっとかかりました。使用し、疲弊させてしまった器具の総額は5万円を越えました。保険診療の金額では、1500円の報酬ですので、ひじょうに難しいといえます。
湾曲している根管でなくとも、このような最新式のニッケルチタンファイルは、根管追従性が良く、根管に食いついてしまうので、除去が難しくなっています。
山梨県 あいざわ歯科クリニック