宮地の咬合三角
2025/02/05
宮地先生が1981年に発表した欠損歯列の分類で、上下顎の現存歯数(28~0歯)と咬合支持数(14~0ヵ所)から、欠損歯列を4 つのエリアに分けて、欠損歯列の病態レベルを評価・スクリーニングする方法です。
各エリアごとの定義と特徴
第1(咬合欠損)エリア:咬合支持数10以上、咬合支持が安定しており欠損拡大のリスクが小さい。
第2(咬合欠陥)エリア:咬合支持数5〜9、歯の喪失が進行、咬合支持も減少し、歯列が不安定になった段階。的確な対応がなされないとさらなる崩壊を起こす。
第3(咬合崩壊)エリア:現存歯数10〜18、咬合支持数4以下。歯列条件が悪く、対応がきわめて難しい。
第4(咬合消失)エリア:現存歯数10未満、咬合支持数4以下。現存歯列・咬合支持数とも減少した少数歯残存症例。一般的には上下顎の力学的不均衡の度合いがやや緩和されている。
欠損歯列の分類では、アイヒナーの分類と宮地の咬合三角がよく挙げられる。共に、残存歯の状態や歯列不正を考慮されていないため、残存歯の動揺が強く咬合力を受け止められない歯や、歯列不正により上下の同部位の歯が噛み合っていない場合であっても、歯数としてカウントされてしまうため、直接正確な口腔内の状態を数字的に表しているとは言えない。このため口腔内の欠損状態を大まかにとらえた指標として用いられる。
山梨 あいざわ歯科クリニック