歯牙腫の治療、親知らずの歯の移動を目指す
2021/02/23
歯牙腫とは、歯を形づくる細胞の過剰形成で、顎の骨の中にできる良性腫瘍の一つです。奇形の多数のひじょうに小さい歯のように見えたり、癒合した沢山の歯のように見えます。それらは正常歯の生える場所を占領したり、あるいは正常歯の萌出の支障になったりすることが多いので、外科的に摘出除去されることがほとんどです。
今回のケースは、本来あるべき歯の位置に、歯の代わりに、歯牙腫が顎の骨の中にありました。その後方には智歯(親知らずの歯)が埋まっていました。
このため、まず歯牙腫を摘出し、その後定期的に、智歯(親知らずの歯)がどのような位置に生えてくるのかを観察していました。
もし、正しい位置に配置しない場合には、歯列矯正を利用して、智歯(親知らずの歯)を動かしたり、智歯が全く動かない場合には、歯牙腫があった場所にインプラントをするということが考えられましたが、
その後、歯牙腫摘出から、4年後、智歯はめでたく歯牙腫があった位置にかなり近接してきて、しっかりと噛めるようになってきました。
人間の自然治癒力には素晴らしいものがあります。
我々歯科医師は、それを無理が生じないように後押ししてあげる事で良好な結果を産むことができます。
山梨 あいざわ歯科クリニック