山梨県甲府市小瀬町の歯科

顎骨内嚢胞~顎の骨の中の病気(下顎)

2020/05/17

前回は、比較的珍しい、上顎の顎骨内嚢胞を紹介いたしましたが、

今回は、比較的多い、下あご(下顎)の中に発生する、顎骨内嚢胞について述べたいと思います。


顎の骨のなかに、病気ができてしまうことがあります。

からだのなかに生じた病的な袋状のものを嚢胞(のうほう)と呼びます。

 大抵はそのなかに液状の内容物が入っていて、ほとんどの嚢胞は、その内側が上皮によってスッポリと覆われています。口腔外科領域では、顎骨内にできる嚢胞と口腔の軟組織に発生する嚢胞があります。

 嚢胞はその成り立ちから、歯に関係あるもの(歯原性)と歯に関係ないもの(非歯原性)に分けられます。

この場合には、自然に治癒することなく、時間の経過によって徐々に大きくなっていきます。
 一般的に痛みや炎症を伴わないことが多く、ほとんどが無症状のまま経過していくことが多いために、発見が遅れることがあります。

現代では、歯科用CTが普及してきたために、正確な診断と安全な手術が可能になってきています。

あいざわ歯科クリニックにおいても最新式の歯科用CT(デンツプライシロナ社製 オーソフォスSL 3D)を導入し、入院が伴わない口腔外科疾患に関しては、基本的にあいざわ歯科クリニック 内にて手術を行っております。


本病変は、下顎神経や舌神経が近くに交通しているために、手術は難しいものでしたが、麻痺が生じることなく、顔の変形や1本の残存歯を失うことなく、治癒しております。

濾胞性歯嚢胞 あいざわ歯科クリニック 口腔外科

右下の親知らずが顎の骨の中に埋まっていて、それを包んでいる嚢胞が大きくなっています。

濾胞性歯嚢胞 あいざわ歯科クリニック 口腔外科

濾胞性歯嚢胞 あいざわ歯科クリニック 口腔外科

手術直後の状態です。嚢胞は顎の骨と境界がハッキリしており、綺麗に取り除くことが出来ますが、神経や血管、残さなければならない歯の根(歯根)を傷付けないように注意しながら手術を行いました。

濾胞性歯嚢胞 あいざわ歯科クリニック 口腔外科

手術から、10年後の状態です。嚢胞に隣り合わせだった歯は現在もなお、健康に機能しています。

 山梨 あいざわ歯科クリニック

 

 

 

 

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