セメント質異形成症
2021/04/18
根尖性セメント質異形成症(periapical cemental dysplasia)
開花性セメント質骨異形成症(florid cemento-osseous dysplasia)
その他のセメント質骨異形成症
の3型 に分 類 されています。
セメント質骨異形成症は顎骨骨体部に発生する非腫瘍性疾患で、
女性が多く、40代以降の方に多くみられます。
発現場所の多くは、下顎前歯部や臼歯部です。
臨床症状(つまり、痛いとか)が無いことが多く、X線写真を撮影した際に発見されることが多いです。
初期は根尖部歯根膜腔の拡大に始まり、次第に根尖に連続する境界明瞭なX線透過像となり、
中期には透過像内にいびつな形の不透過像が出現し、
成熟期には歯の根尖部周囲を中心として塊状の不透過像がみられるようになります。
病理組織所見では、
初期には線維芽細胞および線維性結合組織の増生が主体を占め、病変が進むにつれてセメント芽細胞や骨芽細胞が出現し、塊状ないしは梁状のセメント質様硬組織が形成されるため、この病名の名前が付けられています。
成熟期になると周辺部を残して病巣全体がこれらの硬組織で占められる。
基本的に、感染や不快症状を起こさないかぎり治療は必要とせず、経過観察を行う場合が多いのですが、歯周病が進行し、セメント質異形成症の部分に炎症が波及すると治療が難しくなります。
逆に他の病変が生じていない場合には、根尖部のX線透過像を根尖膿瘍と誤診しやすく、不用意に根管治療を行い感染を生じさせると難治性となるため注意が必要ですので、う蝕が深い場合には、MTAなどを使用し歯髄保護処置を行いつつ、歯髄生活反応テストを行い、神経の保護に努める必要があります。
山梨 あいざわ歯科クリニック