むし歯は大きかった~~~むし歯は内部でどんどん大きくなっていきます
2016/11/23
「地球は青かった」
は有名な宇宙飛行士の言葉ですが、
歯科医院では、
むし歯は多くの場合、内部で広がっていくため、
見かけは小さくても歯科医院に行った時に、むし歯を取った後の歯の穴が、ご自身が思っていたよりも大きい、と感じたことがあるのではないでしょうか?
そこで、心に思い浮かぶ言葉が、
「むし歯は大きかった!」
実は、
舌で触ると実際の大きさ以上に大きく感じてしまうということもあるのですが、
それだけではなく、
歯の構造は、一番外側はエナメル質という非常に硬い材質でできており、その内側には象牙質というやや軟らかい材質があり、その中に神経が閉じ込められた空間があります。ただの硬い材質だけでは、長年の使用によってヒビ割れてしまうことが多いので、内側に軟らかい材質で補強し、弾力性を保っていると考えられます。
むし歯菌が放出する酸の影響により、エナメル質が溶けるのにはかなりの時間がかかりますが、むし歯がエナメル質を突破して、その内側の象牙質まで及んでしまうと、象牙質はやわらかく、スジを持った構造のために、進行は早くなります。
それに加えエナメル質と象牙質の間に染み込むように広がっていき、むし歯は進行していきます。
このため、
「見かけはむし歯の穴は小さく見えても、中ではかなり大きく広がっていることが多い」
のです。
細菌を取り残してしまうと、またむし歯は進行するため、むし歯の治療では軟らかくなってしまったところは全て取り去るのが基本です。
そこで、
「むし歯の穴が自分で思っていたよりも大きかった!」
ということが起きるのです。
むし歯とは、むし歯菌の代表として有名なミュータンス菌などの細菌が作り出す酸によって歯が溶かされてしまう現象の一つです。
実は、ミュータンス菌などは、一般的な感染症の細菌と異なり、弱々しく、唾液ですぐに流されてしまうので、生き残るために、周りにネバネバとした物質を作り出してその中に隠れて歯の表面にこびりつきます。
これが歯垢(歯のプラーク)です。これが、口の中に食物が入ってくることで酸性の濃度が高まることで、歯の表面が溶け出すのです。
歯科医院を定期的に受診することは、むし歯や歯周病にならないように清掃や手入れをすることはもちろん、もしむし歯になったとしても、早め発見し、比較的小さい段階で治療ができるという利点もあります。短期間でむし歯や歯周病は進むものではありません。むし歯が中で広がらない内に、定期的なお口のチェックをお薦めします。